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カルネアデスの板・・・

本社Sです。

写真2/9の出張時に撮影した、宮城県の夕陽です。その日、最後のお客様との打ち合わせへ向かう途中に、あまりにも綺麗な夕陽だった為、思わず停車して撮影しました。
この季節は、特に寒さが厳しい反面、空気がとても綺麗で透明感があり、遠い先の景色まで見えるくらい空気が澄んでいます。東北の方が心が綺麗なのは、毎日こんな綺麗で優しい空気に包まれているからでしょうか・・・

私もこの景色を見ていた時に、その1ケ月後に、こんなに綺麗な夕陽が辛く耐え難い夕陽になるとは思っていませんでした。

先日、仙台空港が再開した事を、newsで拝見させて頂きました。以前のような状態ではないものの、関係者方々の必死で懸命な勇気ある行動で、立派な復旧を遂げられたと感じています。
改めて、あの時、自分達の事で精一杯な時に、又、車も流され、ご家族の安否すら分からないにも関わらず、行政の支援も無い状態の中、笑顔を絶やさず、空港内に残された私達及び近隣避難者の方への献身的なケアをして頂いた、空港関係者(機長、CA、グランドスタッフの方々・・・)の方へ、心から感謝しております。
改めて、プロとはどうあるべきかを教えて頂いたと感じています。

あの時、一番、感じたのは、「なんとかなる!いやなんとかします」と言う、スタッフの方の熱い気持ちが強く伝わって来て私達も「うん、頑張ろう!笑おう!励まし合おう」と言う気持ちにして頂けたように感じます。

今、連日、福島県の事が報じられています。細かな事は分かりませんし、あくまでも私見になりますが、福島県の方が安心して、これから生きて行く為の活動や対応が行政の意気込みから感じられないのは私だけでしょうか?
確かに原発の問題や、連日の余震が絶えず、今の段階では、先を見ようにも見えない状態であるとは思っていますがそれにしても、あの地で生まれ育った方の郷を思う気持ちが蔑ろにされているような気がしてならず、ある意味、『カルネアデスの板』のような対応に見えてなりません。
確かに、多くを救うには最小限の犠牲も必要な岐路に立たされる場合も有りますがそれはもがいても、もがいても万策尽きた時に判断する事であり、現状では『カルネアデスの板』にはならないと思っています。

今回の震災で多くの東北の方と沢山の会話をしました、皆さん同じ事を言われます。
「いくら震災が怖くても、ここで生まれて育った以上は、ここに残って生きて行くしかない」と・・
誰だってそう思う筈で、今回は福島県の方が、そういう状況になっておられますが、いつなんどきに自分の愛する街が同じような境遇になるのかは誰にも分かりません。

もっと、真剣に現地の方と接し、表面的でなく、メンタル的な部分をしっかりと見つめて何を思い、何を望み、何を憂いておられるのかを、理解して認識して行く必要があるのではないかと仙台空港内で私達をケアして下さった空港関係者の方の、勇気と心ある行動を思い出し、そう感じております。

誰にでも、子供のときから見慣れた、安心する優しい夕陽や夕方を一生見続ける権利があるんじゃないでしょうか?